白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズ(眼内レンズ)に置き換えます。
眼内レンズの種類や度数を調整することで、近視や遠視の治療も可能です。
当院では、患者様のライフスタイルに応じて、ご要望にあった眼内レンズをご提案し、
手術後に快適に過ごしていただけるように努めています。
単焦点眼内レンズはピントが合う距離が1つの
眼内レンズのことです。
白内障手術後、単焦点眼内レンズを入れた後は
白内障のにごりがなくなり非常に明るくなり
見やすくなりますが、ピントが合う距離が
1点しかありません。
多焦点眼内レンズは、焦点を1つの距離のみに
合わせる単焦点眼内レンズと異なり、遠距離、
中間距離、近距離など複数にピントが合います。
手元から遠くまでおおよそピントが合います。
多焦点眼内レンズには、いくつか種類があり、
この中間距離にピントをもつレンズ(パソコン
くらいに焦点が合いやすいレンズ)、近くと
中間と遠くの3焦点にピントを持つレンズ(ほぼ
すべての距離に焦点が合うレンズ)など、海外で
実際に使用されている先進的な眼内レンズを
取り寄せて手術に使用することも行っております。
当院では、学会発表のデータや眼科医の勉強会などに参加し、様々な角度から検証を行い、
唯一ご満足いただけるクオリティの高いと思われる厳選した多焦点眼内レンズだけを
ご紹介いたします。
レンティス(Lentis)は、ドイツのOculentis社が
開発した世界最高級の性能をつ多焦点眼内レンズで、
今までの眼内レンズの50倍の精度・屈折度数を
0.01D刻みで患者様一人ひとりの目に合わせて
完全オーダーメイドで作成し乱視も矯正可能です。
特徴は、遠くを見る部分と近くを見る部分が明確に
分かれていることです。
この構造により、今までの多焦点眼内レンズの
欠点であった光学的エネルギー損失を約7%程度
まで少なくしています。
その結果、一般的な多焦点眼内レンズに較べて
見え方がシャープで、光のにじみが少なく、
まぶしさを感じにくいと言われています。
アクリバ トリノバ(AcrivaTrinova)は、オランダの
VSY Biotechnology 社から発売された最新の三焦点
プレミアム眼内レンズです。
光学部の回折エッジは、丸みのある形状に改良され、
これにより従来の回折型レンズの欠点である光の
輪状散乱 ( ハロー)や光のにじみ( グレア )が
軽減される光学設計になっています。
さらにEDOF(Enhanced Depth of Focus)という
焦点深度を広げる機能を追加され、遠方、中間、近方
の見え方がよりスムーズに感じるように設計されて
います。
光量のロスが10%未満と他の回折型多焦点レンズ
よりも少なく、レンズ度数の適応範囲も広いので、
今までの三焦点レンズでは適応にならなかった
強度遠視や強度近視、もしくは角膜乱視の強い
患者様にも適応しやすくなりました。
2017年10月にヨーロッパでスタートしたばかりの
まだ歴史の短いレンズですが、全世界的に急速に
広まりつつあります。
FINE VISIONは遠方と近方、遠方と中間の
2種類のレンズを組み合わせた特殊な構造を
用いて遠く・中間・近くの3か所にピントが
合う仕組みになっています。
従来のレンズとは異なり遠く、近くの視力を
落とさず、中間距離にピントが合うことが
最大の特徴です。
材質は親水性アクリルで、ブルーライトと
紫外線をカットしており、レンズはアポ
ダイズ回折型で非球面デザイン。
この構造により、グレア・ハローの症状も
軽減されています。
ミニウェル・レディーはイタリアのSIFI MedTech社
で開発された従来の回折型や屈折型と全く異なる
新しいタイプの多焦点眼内レンズです。
プログレシブ眼内レンズ((Progressive IOL))と
呼ばれるレンズ光学構造は、球面収差の原理を利用
しており、近方距離がやや弱いものの、遠方から
中間距離まで連続して良好な明視域を保持することを
実現した世界的に注目度の最も高い多焦点眼内レンズ
の一つです。
従来の多焦点眼内レンズの宿命とされているグレアや
ハローといった自覚症状やコントラスト感度の低下が
全くなく、ヒト水晶体眼に最も近い自然な見え方を
実現した多焦点眼内レンズです。
これまでグレア・ハローの影響やゴーストビジョン
などの懸念のため、回折型や屈折型の多焦点レンズ
ともに適応が難しかった夜間ドライバーの方や片眼
のみが白内障で手術をご希望される方には新たな福音
となります。